物流業界イメージ働き方が大きく変わる物流業界では、求められる人材も変わっていく(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「自己分析・自分探し」を通じて、新卒就職や転職といった人生の各局面ごとに「会社・職業選び」は必要となる。そんな仕事人生の全体像を描く上で欠かせないのが、業界・企業研究だ。就活生に向けて、注目の21業界における最新トレンドや企業が求める人材像について、企業分析のプロへの取材を基に解説する。第3弾は「新しい時代のインフラを支える業界」として、「物流業界」を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)

構造変革でIT人材需要が急増か

 時間外労働の上限規制の猶予が終了する2024年以降、物流業界の働き方は大きく変わる。

 これまで長距離トラックドライバー1人が数百キロメートルの道のりを1日で貨物輸送していたが、今後は途中の物流拠点で一度貨物を下ろし、別のドライバーが目的地まで運ぶことになりそうだ。また政府が掲げる「モーダルシフト」により、転換拠点間を鉄道や船舶で貨物輸送するといった物流構造の変革も始まるだろう。

図:モーダルシフトの仕組み*国土交通省の資料を基に編集部作成
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「物流はこれまで労務集約型の産業だったが、今後は賃金や福利厚生が改善され、他の産業に負けない人材集めをする流れになっていく」(東海東京調査センターシニアアナリストの金井健司氏)

 そこで企業規模にかかわらず必須となるのが、IT化による業務の効率化だ。これからは、物流業務とITの両面に深い知見を持つハイブリッドな人材が重宝されるようになるだろう。

 また、物流全体の設計を行う「ロジスティクスプロパイダー」(LP)といった人材の需要も伸びてくる。物流網の改善を進める外資系Eコマースなどは、専門知識を持つLP人材を厚待遇でたくさん採用している。データアナリストなどの素養がある学生にとっては狙い目だ。さまざまな取引先と付き合う物流の仕事には、経営の知識も必要だから、経営学を学んでおくのもいいだろう。