「自己分析・自分探し」を通じて、新卒就職や転職といった人生の各局面ごとに「会社・職業選び」は必要となる。そんな仕事人生の全体像を描く上で欠かせないのが、業界・企業研究だ。就活生に向けて、注目の21業界における最新トレンドや企業が求める人材像について、企業分析のプロへの取材を基に解説する。第2弾は「新しい時代のモノづくりで世界をリード」として、「電子部品業界」を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)
トレンドを先読みする能力が重要に
電子部品はデバイスを構成する一部であり最終消費財ではないため、メーカーがどんな仕事をしているのか学生にはイメージしにくい。
だが実は、日系企業の電子部品は40%以上のシェアを占めるものもあり、高いグローバルシェアを誇るものが多い。そのため「高収益企業が多く、成長性のあるセクターだ」と大和証券アナリストの佐渡拓実氏は話す。
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歴史をひも解くと、コンピューター、スマートフォンといったデバイスの進歩と共に、電子部品業界は軽薄短小の技術を武器に、小さくて高性能の部品を安価かつ大量に作ることで成長してきた。
次に来るトレンドは、DX、カーボンフリー(脱炭素)、EV、ウェアラブル(着用型デバイス)などが予測される。
これまで業界はスマホなどのキーデバイスの数量に支えられてきたが、トレンドが多様化する中、今後は数量を追うよりも製品の付加価値を高め、単価をいかに高くしていくかが求められている。
顧客ターゲットが目まぐるしく変わる中、企業が生き残るには機敏な方向転換が必要だ。
電子部品業界はもともとデバイスのトレンドを自ら創り出す業界ではない。
そのため、新製品を生み出す電子機器メーカーに入り込む力、次にどんなデバイスが流行るかを先読みする力、そのデバイスに必要とされる電子部品を戦略的に開発・販売する力を持つ人材が必要とされている。