ウクライナ・ガザ・台湾問題と米大統領選の「共振」、2024年の世界は大きく変動Photo:Scott Olson/gettyimages

バイデン政権、難しいかじ取り
「トランプ再登場」となれば混迷

 2024年は1月に中国との関係を焦点にした台湾総統選挙、3月にはウクライナ占領を続けるロシアの大統領選挙、そして11月には、バイデン大統領とトランプ前大統領の再戦となりそうな米国大統領選挙が予定される。

 これら選挙の行く末を大きく左右するのが、ウクライナやガザでの戦争をはじめとする国際情勢だが、また同時に選挙の結果が国際関係の成り行きを変えていくことになるだろう。とりわけウクライナ、ガザの戦争の動向、そして新総統の下での台湾の行動が米国大統領選挙に与える影響は大きい。

 ウクライナ戦争が膠着(こうちゃく)の度合いを強め、米国では共和党内からウクライナ追加支援に慎重な声が出る一方で、ガザ地区への激しい攻撃を続けるイスラエルへの国際的な批判が強まるなど、バイデン大統領にとっては難しいかじ取りだ。

 大統領選でトランプ氏が、ウクライナ戦争を停戦に持ち込めず、イスラエルの攻撃も止められないバイデン政権下の「米国の弱さ」をアピールして、返り咲く可能性もある。24年は世界の不安定と混迷が一段と強まりかねない。