大きなショックの後には
必ず経済社会構造が変化
日本経済は、新型コロナウイルスショックのもと感染拡大防止と経済活動の活性化を図る約3年のウィズコロナ期を脱し、コロナ禍の影響を全く受けないアフターコロナ期にすでに入ったと考えられる。
だが経済や社会の姿が、コロナ前と全く同じ状態に戻るわけではない。過去にも大きなショック、たとえばオイルショックやプラザ合意、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災などが起きた後には、必ず経済社会構造が大きく変化しており、今回のコロナショックでも何らかの変化が生まれたと考えられる。
最大の変化は物価が上がるのが普通になったことだが、ほかにも人手不足などで需要より供給の不足が懸念されるようになる一方で、リモートワークの普及など働き方もコロナ禍前から大きく変わった。
こうした構造変化は、今後の景気の行方を考えるにあたって無視できない大きな要因となる。
とりわけ2024年の経済動向を考える上での注目点は、物価の上昇と賃金上昇がどこまで連動するかだ。