現状維持が好き、印象が薄い…そんな「バカな人たち」の生態とは?【世界的ベストセラーが解説】一番平凡なタイプでどこにでもいるのが緑タイプである。簡単に言ってしまうと、全4色タイプの平均的な性格を持っているのが緑タイプだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

スウェーデンのコミュニケーション研究の第一人者である筆者によれば、人間の性格には4つの大きなタイプがある。そしてこれらを視覚的に表現したのが、4色(赤・青・黄・緑)の分類図だ。その中で最も平凡で、最もバランスが取れており、人から好ましいと思われる性格の持ち主が「緑タイプ」。しかし一方で、変化を嫌う保守的な一面もあるという。本稿は、トーマス・エリクソン『世界にバカは4人いる』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。

「しない」特性ゆえに集団の
潤滑油になる緑タイプ

現状維持が好き、印象が薄い…そんな「バカな人たち」の生態とは?【世界的ベストセラーが解説】「本書48ページより」 拡大画像表示

 一番平凡なタイプでどこにでもいるのが緑タイプである。簡単に言ってしまうと、全4色タイプの平均的な性格を持っているのが緑タイプだ。

 これを悪くとらえず、「平均的な」とはどういう意味なのか考えていただきたい。緊迫した中、何事も実行するのが赤タイプ。黄タイプは創造力を備えた社交的なタイプ。青タイプはエクセルの王とも呼べる完璧主義者。そして緑タイプは、ほかのタイプよりもバランスがとれている性格だ。ほかの偏りすぎた性格が、うまい具合に調整されている性格とも言える。

 極端に偏りすぎた性格ばかりの人が集まっていると、何も完了させることができないのは紛れもない事実である。実行力のあるリーダータイプしかいない場では、主導してくれる人がいない。周りを楽しませる人しかいない場では、楽しめる対象のものがない。何でもコントロールしたがる、細かなことにうるさい人ばかりの場では、何もコントロールするものがない。

 緑タイプの性格はほかのタイプとは違い、どこか特別に際立った性格があるというわけではない。しかしそれにより、その場の雰囲気を落ち着かせる効果がある。

 赤タイプと黄タイプが必死になっているとき、緑タイプは落ち着いた対応をする。青タイプが細かいことにこだわりすぎるとき、何が正しいのかを判断しようとする、それが緑タイプだ。

 周りに人の誕生日を覚えている知り合いがいるだろうか?いるのならば、その人は緑タイプの人間だろう。

 緑タイプは、人の成功をねたんだり、人の話を無視して自らの栄光話に切り替えたりなどといったことはしない。自分は人より勝っているとは考えないし、絶えず人を追いかけ回してあれこれと命令をすることもない。たとえ競合する場にいても、相手を競合相手だとは思わない。指示をしなくてもいい場では、人を指揮することもない。ほかにも……。

「ちょっと待った!」と、あなたの声が聞こえてきそうである。緑タイプの特徴は、「しない」ことばかりじゃないかと。

 では、緑タイプが「する」ことは、いったい何だろうか。