スウェーデンのコミュニケーション研究の第一人者である筆者によれば、人間の性格には4つの大きなタイプがある。そしてこれらを視覚的に表現したのが、4色(赤・青・黄・緑)の分類図だ。自他の性格タイプを知れば、自分の強みや足りないものが見えてくるはず。ここでは、決断力あふれるエネルギッシュな赤タイプの特徴を紹介しつつ、これと対照的に沈着冷静なメモ魔である青タイプの話をしよう。本稿は、トーマス・エリクソン『世界にバカは4人いる』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。
空気を読まずに突っ走る
やる気と信念の赤タイプ
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赤タイプは自分の性格を隠そうとしないので、誰が赤タイプの人間かというのはすぐにわかる。
彼らには行動力があり、意気軒昂としている。人生の目標を掲げてはいるが、あまりに大きな目標なため、赤タイプ以外の人は「そんなの無理だ」とおじけづいてしまうほどだ。彼らは常に前向きで、力を尽くして目標に向かう。あきらめることはほとんどない。自らの能力を過小評価しない。一生懸命努力して、頑張ればどんな結果でも出せるという信念を持っているのだ。
赤タイプの性格が強い人はタスク指向型、外向的だ。挑戦することを好み、決断力は早く、主導権を握り、リスクを追うことを厭わない。一般的にリーダー向きだと言われている。皆の指揮をとり、最前線にいたがるのも、このタイプだ。
やる気にあふれているため、障害があっても立ち向かっていく。そんな赤タイプが最大限の力を発揮できるのが、競合相手がいるときだ。だから、会社の社長や、国の首相に赤タイプの性格が多く見られるのは不思議なことではない。
赤タイプのどの行動にも競争心が見られる。常に誰かと競り合っていたいというのは本心ではないかもしれないが、何かを勝ち取ってやろうという意気込みは見えてくる。何を勝ち得るかは重要ではないこともあるが、彼らの駆動力は、勝負をしているときに最大限の力を発揮する。
昔、私にはペッレというご近所さんがいた。何に対しても競争心を持ったペッレは、その強さがきっかけで、いろいろなことに興味を持ち始めていった。
私は庭仕事が趣味なので、庭でよく時間を過ごすが、ペッレは特にそうでもなかった。だが、私の庭の評判をさんざん聞かされてイヤ気がさしたのか、彼も庭であれやこれやといったプロジェクトを始めるようになった。
しかし、その目的は明確だった。それは私に勝つためだ。花壇をつくり、きれいな花をたくさん植えて奥さんを驚かせたり、何ともない普通の芝生をゴルフ場にあるようなきれいな芝生にレベルアップさせたりしていた。
「私ももっといろいろと植えてみますね」と、私がペッレを脅かすだけで、彼は庭仕事をやめることなく「かっこの悪い敗者」にならないため、近くの園芸店へと急いで出かけて行ったのだ。