地元の不動産業者では手に余る
サウナ付き大豪邸の行き先は?

 あるとき、地方の所有者Bさん(30代)から相談を受けました。祖父が亡くなって家を相続したけれど、どう扱ったらいいか分からない、とお困りでした。空き家になって3年ほど経っていました。

 さっそく僕は現地に飛びました。その家に伺うと、もうビックリです。

 それはそれは大きな、立派な豪邸でした。玄関だけで6畳くらいの広さがあり、奥にはお茶室がしつらえてあります。家の中央には情緒たっぷりの坪庭。外に広がる庭を眺めると、母屋から廊下でつながる離れ屋敷がつくられています。

筆者が相談を受けた豪邸筆者が相談を受けた豪邸。地上からの写真では収まらないのでドローンで撮影(本書より)

 そして、極め付きは檜で作られたサウナ。なんという贅沢な家でしょうか。ご商売をされていたおじいさまが、趣味三昧でお建てになった家だそうです。

 Bさんご一家も、いっとき住んでみたそうです。でも、「広すぎて怖い」と子どもが言うので、あえなく撤退。広すぎるのも、現代の核家族には住みにくいようです。近隣の方々にはとても購入できるような代物ではありません。地元の不動産業者ではお手上げということでした。

「どうしたらいいか分からなくて……」と、所有者さんは僕に相談してくれたのです。

 家族で住むのがムリなら、旅館?料亭?いずれにしろ、このままのかたちで使ってくれる買い手/借り手を探すしかありません。解体して更地にするなんて、もったいなさすぎます。

 こんなときには、広域に情報が広がるSNSが大活躍します。僕は「ええやん!空き家やんちゃんねる」に紹介記事をアップしました。すると、借りたいという方が現れたのです。それは、なんとハワイ在住のアメリカ人でした。YouTubeを見て、連絡をくれたのです。それからはとんとん拍子に話が進み、そのアメリカ人が借主となりました。