AI市場は2027年に4200億ドルに拡大、「年72%成長」の恩恵を受ける2大業種Photo:PIXTA

AI市場は2027年には4200億ドルに拡大し、22年の15倍の規模に達する。24年にAI関連の銘柄で最も市場拡大の恩恵を受けるのはどの業種か。サイクルに基づいて分析するとともに24年の市場全体の環境を検証する。(UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント ジャパン・エクイティ ストラテジスト 小林千紗)

2023年年初から株価
4倍のAI関連銘柄も

 AI(人工知能)はバブルなのか。

 米国株式市場のナスダック総合指数およびフィラデルフィア半導体指数(SOX)指数は2023年に各43%、65%上昇した後、2024年1月も1%、2%上昇した。銘柄によってばらつきはあるものの23年年初来で4倍以上上昇した銘柄もある。

 株価の絶対値だけ見れば非常に大きな上昇だが、将来的な業績や市場規模を鑑みると株価の上昇も納得できると思う。我々は今年初めにAI市場規模の見通しを引き上げた。AIは今後10年のメガトレンドになると予想している。

 これまで各種コンピューターデバイスがその時代を席巻してきた。1970年代にメインフレーム(企業などの基幹情報システムに使用される大型コンピューター)が登場し、80年代にはマイクロコンピューター、90年代にはパーソナルコンピューター(PC)、2010年代にはスマホが登場し、20年代はAIの時代になるだろう。

 AI市場はバブルではない。次ページ以降、拡大する市場規模の予想を提示するとともに、サイクルに基づき恩恵を受ける業種を検証する。