日本IBMとリクルートが
急上昇した背景とは

 23年のランキングトップ5は、東京大学、アクセンチュア、ソニーグループ、楽天グループ、日本IBMだった。

 かつては、東京大学出身者の主な就職先として官公庁が挙げられていたが、今回は外務省が13位にランクインしたのみ。「東大卒=官僚」というイメージは、もはや過去のものになっているようだ。

 コンサル業界の人気は相変わらずだ。前出の4社に加えて、EYストラテジー・アンド・コンサルティングが13位に入り、計5社がランクインしている。何らかの分野のプロフェッショナルになれるコンサル業界と、向上心が強い東大生のニーズがうまくマッチしているのだろう。

 23年の特筆すべき変化としては、22年にはランキングに入っていなかった日本IBMとリクルートが、それぞれ5位と10位に急上昇したことが挙げられる。

 19年、東京大学とIBMは、量子コンピューティングの技術革新と実用化に向けたパートナーシップを発表した。そして21年には、将来の量子コンピュータ技術の研究・開発を行うためのハードウエア・テストセンターをキャンパス内に開設するなど、関係を深めてきた。

 一方、リクルートは、22年に東京大学で開講された「メタバース工学部」のプラチナ法人会員として、工学分野のダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)を推進すると発表した。

 このような産学連携の取り組みが、人気の就職先となった一因と考えられる。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
2023年春の大学別の主な就職先。就職先名称は原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。大学通信の調査方法によって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」から集計、大学院修了者を含む。(調査/大学通信)