ホンダ、最高益達成でも楽観できない「四輪事業の不安」の正体Photo: Getty/SOPA Images

ホンダが最高益更新
課題の四輪車で収益力が回復

 自動車メーカー9社の2023年度第3四半期連結決算が2月9日までに出そろった。トヨタ自動車が、通期(23年4月〜24年3月)連結純利益の見通しを過去最高となる4兆5000億円と発表したことでトヨタの収益力の高さが際立ったが、総じて自動車各社が大幅増益となり「自動車業界、快走」という決算状況だった。

 その中でホンダは、これまで二輪車事業の高い収益性に対して大きく足を引っ張っていた四輪車事業の収益力が復活したことで、本業のもうけを示す営業利益を上方修正し、通期で過去最高の1兆2500億円を見込むと発表した。

 また、23年度第3四半期(23年4月〜12月)連結決算も、売上高が前年同期比20%増の14兆9994億円、営業利益は47%増の1兆763億円と初めて1兆円を超え、同期間として16年ぶりに最高益を更新した。純利益は49%増の8696億円だった。

 第3四半期累計で営業利益が初の1兆円超えとなったことについて、ホンダは「四輪車販売が北米を主体に増加し、日本の生産も回復した。値上げと円安の為替効果もあり収益性が向上した」(藤村英司執行役CFO)と、四輪車事業の収益力向上を要因として挙げた。