ブランド価値が伸びた共通点は
「俊敏力」「整合性」「結束力」

 総合ランキングトップ5は、トヨタ自動車、本田技研工業(ホンダ)、ソニー、ユニクロ、日産自動車で、自動車メーカーが上位を占めた。トヨタは16年連続の1位を獲得した。

 また、前年比ブランド価値成長率でランキングすると、トップ5はユニクロ(前年比+23%)、メルカリ(同+22%)、富士通(同+19%)、サントリー(同+18%)、味の素(同+17%)だった。また、武田薬品工業が初めて100位にランクインした。

 ブランド価値を大きく伸ばしたブランドの共通点を分析すると、消費者のニーズを喚起する力を測る「ブランド強度分析」の10要素(志向力・結束力・共感力・俊敏力・独自性・整合性・共創性・存在感・信用度・愛着度)のうち、「俊敏力」「整合性」「結束力」の3要素が高い傾向が見られた。

 俊敏力とは、組織がビジネスの機会や課題に対応し、期待を超え続けるために迅速に行動できる能力を指す。また整合性とは、あらゆる顧客接点でのブランド体験において、一貫性のあるブランドストーリーや世界観が感じられるかどうかを意味する。結束力とは、組織全体が同じ方向を向き、その実現に全力を尽くして事業全体を通じてそれを実行する仕組みを備えていることを指す。

 外部環境への迅速かつ柔軟な対応は依然として重要だが、さらに重要なのは、パーパスやブランドの目指す姿を定義するだけでなく、企業文化や事業活動に落とし込んで具体的な行動に結びつけることだ。

 また、サステナビリティ関連の取り組みの度合いが高いだけでなく、それが社会課題の解決に貢献し、ビジネスとして経済的価値につながっている点もブランドが成長する上で重要だ。