お金の使い方のポイントは
「ケチ」と「倹約」を混同しないこと
――若いうちに「自分はこういう使い方が楽しい」を積極的にラン&テストするべきなのですね。「趣味のサーフィンにはお金を惜しまない。その分、服はユニクロだけ」など、ルール化が必要だと思いました。ほかにも、何か使い方のポイントはありますか?
(以下、出口)「ケチ」と「倹約」を混同しないことです。コンビニでは150円で売っているペットボトルが、そこから1分歩いたところにあるスーパーだと100円で売っている、などということはよくあるでしょう。こういうとき、スーパーの値段を調べずに、また、調べたとしてもめんどうくさがっていつもコンビニで買い物をし続けるのは、「浪費」です。
「同一商品や同等のサービスは、比較して、安いほうを選ぶ」。これは消費の大前提で、全世界共通のルールです。
出口治明 著
比較検討することは、決してケチな行為ではなく、賢い消費者の基本中の基本の行動です。
乾電池を買うなら、コンビニより電器屋さんを選ぶ。テレビを買うなら、めぼしい商品をインターネットで比較する。こうした選択ができることが、賢い消費者の証です。
たしかに、比較検討をしたからといって何万円、何十万円とトクをすることは少ないでしょう。多くの場合、小銭程度の差額でしかありません。ところが、その差額の塵は知らない間に積もり、山となります。山となったお金を使えば、生活の満足度をより高められるかもしれません。
もちろん、安く買えることは知りつつも、急ぎの用件で「時間」や「手軽さ」を優先する場合もあります。これも価値観ですから、否定するつもりはありません。