アップルカー開発中止は
EVブーム終焉のサイン?
米アップルが電気自動車(EV)の開発計画を断念したと伝えられた。アップルのジェフ・ウィリアムズCOO(最高執行責任者)が社員に通達したと、米ブルームバーグが報じた。それによると、アップルカー開発チームの一部開発者はAI部門に配置転換し、アップルでは珍しいレイオフ(一時解雇)を計画しているという。
アップルといえば、スマートフォンの世界でiPhoneの存在感が非常に大きい。EV化に伴い、クルマが高度なソフトウェアを搭載する「走るスマホ」ともいわれるようになる中、そのアップルがEVに進出するということで、自動車業界からも脅威の存在としてその動向が注目されていた。
特に、自動車業界にとって100年に一度の大変革期といわれるゆえんである「CASE革命」の中核に位置する、「電動化」と「自動運転」をセットで開発するアップルカーを同社がどう具現化するかは、業界の大きな関心事だった。
脱炭素社会に向けたEVと自律走行実現のための自動運転の親和性をとらえたアップルカー。アップルは、「EVによる完全自動運転」を目指したものと受け止められていた。