ダイハツに異例の「軽量級社長」が就任→注目すべきは「副社長」人事だ会見に臨むトヨタ自動車の佐藤恒治社長(左)とダイハツ工業の井上雅宏新社長 Photo:Bloomberg/gettyimages

ダイハツが経営陣刷新
不正発覚を受けて

 ダイハツ工業とトヨタ自動車は2月13日に共同会見し、ダイハツの経営陣を刷新して、3月1日付で親会社のトヨタから中南米本部長の井上雅宏氏(60歳)がダイハツ工業社長に就任すると発表した。

 ダイハツ・井上新社長と共に会見に臨んだトヨタ・佐藤恒治社長は「不正再発防止に向けてダイハツの改革を現場主義で進めるとともに、ダイハツの負荷を軽減するため、ダイハツの事業領域の軸を軽自動車に位置付ける」と述べ、トヨタ主導でダイハツの立て直しを進めることを淡々と語った。

 ダイハツの認証不正が内部告発で明らかになったのは昨年(2023年)4月だが、その後の調査で30年以上にわたって品質不正を続けていたことが判明し、12月下旬にはダイハツ全工場で出荷停止という前代未聞の事態に陥った。

 トヨタグループでは、ダイハツだけでなく、日野自動車・豊田自動織機の不正が相次いで発覚して、グループ全体のガバナンスが問われる問題となっている。トヨタの豊田章男会長は1月末に開いたグループ指針の説明会で謝罪するとともに、不正を起こしたグループ各社は会社を作り直すぐらいの覚悟が必要だと指摘し、自身が「責任者としてグループの変革を進める」ことを宣言した。