「習い事には【やめてはいけないケース】がある」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【「習い事をやめたい!」と言った時の対処法】をお届けする。
習い事をやめたい!→「うまくできないから」がほとんど
「もうやめたい!」「行きたくない!」。習い事に取り組んでいる子どもが一度は口にする言葉です。
この時、親は冷静に子どもの「技能」と「やる気」を見極めて、継続するかどうか、賢く判断しましょう。
子どもが「やめたい!」と言った時の対処方法は次の2つです。
(2)技能差が埋まらない場合はやめる選択もあり
今回は習い事をやめてはいけないケースに当てはまる「(1)サポートしてうまくしてあげる」について解説しましょう。
実は、習い事をやめたいという理由のほとんどは「うまくできないから」です。
この場合はやめさせるより前に、親が根気強く基礎練習につき合い、必要な時はコーチの手を借りて、うまくできるようにサポートしてあげてください。
幼児期~小学校低学年の子どもの場合、ほんの少しサポートするだけで技能が飛躍的に向上します。
水泳の練習に親が週に数日つき合ってあげる。毎日5分、子どもと一緒にピアノを弾いてあげる。これだけで子どもの技能は上達し、「自分はできる!」という自信を取り戻すことができます。
この自信こそが、やる気を生み出す原動力なのです。
自信(自分を信じる心)は、厳しい受験勉強でも、将来大人になって働く時にも、わが子を支えてくれる一生の宝物になります。習い事で自信を育てた子は伸びやすい一方で、習い事をコロコロ変えてしまうと育ちにくく、失いやすい傾向があります。
小学校高学年以上の子どもも基本は同じです。ただ小学生以上になると、(周りの子どもも努力していますから)技能差を埋めるのに時間がかかるようになります。
私の教え子(女の子)に幼児期からゴルフに取り組んでいる子がいました。しかし小学校に上がる頃から技能が伸び悩み、スコアが上がらない状態(競技で下位の成績)がずっと続きました。その子は「やる気」を失いかけていましたが、父親は子どもを信じて、根気強く、その子の基礎練習につき合い、励まし続けました。
そばで見ていた私も「ゴルフは向いていないのでは?」と感じることがありましたが、父親はあきらめずに小学校時代を通してサポートを続けました。すると、それまで蓄積してきた基礎練習の成果がようやく開花し、中学生になる頃からメキメキ腕前が上がり始めたのです。
その子は中学・高校とゴルフを継続し、最終的には、返済不要のスポーツ奨学金を得てアメリカの大学に進学することができました。
もし小学校時代に「向いていない」とゴルフをあきらめていたら、その子の人生は別のものになっていたでしょう。
親が子どもをサポートしてうまくしてあげる。簡単にやめさせる前に親が子どもを信じて「うまくしてあげる」ように努力しましょう。
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子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。
そこで「わが子にピッタリの習い事を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にピッタリの習い事」がカンタンにわかります!