日本は去年より順位を下げて
「幸福度」は137カ国中51位

 毎年3月20日は「国際幸福デー」として、幸福が世界中の人々の共通目標かつ願いであることを認め、すべての人の幸福とウェルビーイングを推進するため、貧困のない、公平で持続可能な循環型経済成長の必要性についても訴える、「幸福とは何か」について考える日です。

 世界の国や地域の「幸福度」をランキングにした「世界幸福度報告書」は、国連の関連組織などが中心となって世論調査を行い、直近の3年間で得られた回答を基に、世界の国や地域の「幸福度」をランキングにしたものです。

 今年発表された2024年の報告書によると、フィンランドが7年連続で1位となったほか、2位にデンマーク、3位にアイスランドが続き、福祉や教育が充実している北欧諸国が上位を占めました。 このほかイギリスが20位、アメリカが23位でした。

 日本は、去年は137カ国中47位でしたが、今回は4つ順位を下げて51位でした。辛うじて52位の韓国、60位の中国などを上回りましたが、 G7の中で最も低く、アジアでは、30位のシンガポール、31位の台湾を下回りました。

 今の日本社会は、円安や物価高による消費下押しと人手不足による設備投資の遅延に加え、年始の能登半島地震の影響もあり、景気回復が足踏みしている中でランキングが示しているように人々の幸福度が高いとは決していえない状況ではないでしょうか。

 日本が一番幸せだった時代はいつだったか?という質問に対して、おそらく昭和世代の人の多くは、ドラマ「不適切にもほどがある!」の舞台となった1986(昭和61)年末から1991(平成3)年頭までの日本中が空前の好景気に沸いた、崩壊前のバブル時代と答えるのではないでしょうか。

 世界幸福度調査が始まったのが2013年なので推測することしかできませんが、もしこの時代に同じ調査が行われていたら日本は今よりかなり上位にいた可能性はあります。今回は、ウェルビーイングの観点からこのバブル時代を考察してみます。