2001年大みそかの大番狂わせ

 猪木軍の対抗戦に手応えを感じた「K-1」の創立者である石井和義館長は、大みそかに大会を開催し、それを放送できないかと日本テレビに打診。が、日本テレビ側は大みそかの格闘技放送に難色を示したという。

 そこで当時K-1の中量級大会「K-1 WORLD MAX」を放送していたTBSが引き受け、2001年大みそかに「INOKI BOM-BA-YE」(通称:猪木祭)が放送される。

 大会の主役は中堅レスラーの安田忠夫だった。ギャンブルで多額の借金を抱え、妻にも逃げられた安田が、リングサイドに別居していた娘がいる中でK-1の強豪戦士ジェロム・レ・バンナにギロチンチョークで大番狂わせの勝利。

 実況の古舘伊知郎による「バンナがタップした!愛娘が泣いている。安田が立っている。そして安田が生きている」の名調子も相まって日本中に驚きと感動を与えた。