脱税事件で終わった蜜月

 しかし、蜜月は長くは続かなかった。2003年2月、石井館長が脱税により逮捕される。カリスマの逮捕でK-1が混乱する中、運営を担当していた川又誠矢が離反。DSEと一緒になり、大みそかの格闘技大会を今度はPRIDEを中継していたフジテレビで行うと画策した。

 ここで日本テレビが割って入ってくる。もともと大みそかの格闘技大会の話を最初に振られたのが日テレだ。よほど逃した魚が大きく見えたのだろう。3年8億円という巨額の契約で大みそかにやりたいと川又に持ちかける。

 だが、DSEはPRIDEを中継していたフジテレビとの関係があるため拒否。結局、川又が猪木とタッグを組み、イベントを開催することになる。一方、K-1もTBSと大みそかのイベントを継続して行うと発表する。

 こうして大みそかにTBSとK-1による「Dynamite!!」、フジテレビとPRIDEによる「男祭り」、日テレと猪木による「猪木祭」という前代未聞の3局が大みそかに格闘技を放送することになった。誰もが引くに引けなくなっていた。

「格闘技興行戦争」「三大格闘技祭り」などとも呼ばれたが、テレビ局がそれぞれバックについたことで、勝敗は視聴率に。そのためには世間に届くカードが必要になる。