現実のXでは今日も特定個人に対する嫌がらせが継続的に行われているし、それを扇動するような投稿も見られる。Xの方針で確かにそうだと思えるのは「利用者が安心して意見や信念を表明できる」という部分だろう。現状のXは、嫌がらせや露悪的な投稿をするユーザーほど自由に意見や信念を表明でき、そのターゲットとなった人は退場を余儀なくさせられるような光景さえ目にする。
また、ユーザーの通報によって何か対応が行われることは珍しいし、対応が行われる場合であっても、通報からだいぶ経ってから連絡が来て、そのユーザーのどの投稿によってどんな対応が行われたのか、結局わからないケースが多い。
最近もフォロワー数の多いインフルエンサーアカウントの凍結&復活騒ぎがあったが、凍結にしても復活(凍結解除)にしても、ユーザーからはその判断基準がさっぱりわからないのだ。
政府や企業の広報としても使われる規模の大きさに不釣り合いな、運営基準の不明確さ。これがユーザーたちに多かれ少なかれストレスを感じさせていることは間違いない。
警察官が副業で「いいね」
牧歌的だったツイッターが懐かしい…
また、最近ではこんなニュースもあった。現職の警察官が副業を行い注意されたのだが、その内容がなんと、「いいね」をつけて報酬を得る仕事だったのだ。
【参考】20代巡査長がSNS「いいね」副業 山口県警が所属長注意
https://mainichi.jp/articles/20240404/k00/00m/040/040000c
ネット上では以前から、フォロワーやいいねを買っているユーザーがいるであろうと噂されていたが、実際にこのような「ビジネス」はあったということになる。しかも記事を読むと「(警察官が)副業に関する手数料を求められて支払ったところ、受け取った報酬の合計額を上回ってしまった」とあり、きな臭さも感じる。
なんにせよ、改めて「いいね」の中にバイトが行っている「ヤラセ」がある事実が周知された。Xが顕著なのは、他のテキスト系SNSと比べて拡散数が多いことだが、その中には作られた拡散や見せかけのいいねもあり、あまつさえそれをビジネス(あるいは詐欺のような行為)に利用する者もいる。
まだ牧歌的だった10年以上前のツイッターを思うと虚しさを感じる。これ以上のモラル崩壊が起こらないことを祈りたいが、現状を見る限りあまり期待できそうにもない。