配属について学生が企業側に希望を伝えたかどうかを聞いた設問では、応募~選考時では64.0%、内定承諾後では55.2%が「希望を伝えた」と回答しています。そもそも、配属先について希望を伝える機会があったかどうかを聞くと、28.1%が「希望を伝える機会がなかった」と回答。内定承諾後に希望を伝えなかった学生に絞って見ると、機会がなかったと答えた学生は60.4%にのぼっています。
配属先に関して、学生側に「こんな仕事を手掛けたい」「こんな働き方をしたい」という希望や、実現したいことへの思いがあったとしても、機会がなければ伝えづらい現状があるのではないでしょうか。
入社後の「納得感」に関わる
個人のキャリア観に配慮した説明の有無
では、3月卒業時点で入社後の配属先が確定している学生(就職確定者のうち46.9%)は、企業から配属に関してどのような説明を受けているのでしょう。
配属意図の説明の有無について、「組織・事業の観点から説明があったか」を聞いたところ、59.1%が「説明があった」、40.9%が「説明はなかった」と回答しています。例えば、「〇年後に向けた事業成長戦略に基づいて、営業力強化のためにあなたにこの仕事を任せたい」といった説明を、約6割の企業がしているということです。
一方、「自身のキャリア・成長の観点から説明があったか」を聞くと、43.9%が「説明があった」、56.1%が「説明はなかった」と答えています。事業観点からの説明はあっても、個人のキャリア観点を踏まえた説明までされているとは限らない。調査結果からは、そんな実態が読み取れます。
当然ながら、配属においてすべての希望が叶うことはありません。しかし例えば、「面接では、いずれは〇〇の仕事に挑戦したいと言っていましたね。そこに向けて、入社後にまずは△△の部署で経験を積むことで、現場の視点を得られると思っています」といった、個人の成長を考慮した説明があればどうでしょう。配属先が希望と違っていたとしても、学生の納得感は変わってくるかもしれません。