銅市場、なぜ熱気しぼんだかPhoto:VCG /gettyimages

 投資家は今年、銅が不足するとの見通しに賭けてきた。そのこと自体は供給を巡る潜在的問題の緩和につながった。しかし、出遅れた投資家が現在目にしているのは熱気の冷めた相場だ。

 強気筋は長らく、銅はエネルギー転換の追い風を受ける投資対象との見方を強調してきた。1カ月前にはその正しさが証明されたかのように見えた。ロンドン金属取引所(LME)で銅のスポット価格は5月20日の取引時間中に過去最高値となる1トン=約1万1100ドル(約177万円)を付け、年初からの上昇率は29%に達した。オーストラリアの資源大手BHPグループが英同業アングロ・アメリカンに提案した大型買収では銅事業に脚光が当てられ、銅相場の先行きは明るいとの見通しは強まるばかりだった。