狂乱バブル ホテル大戦争#3Photo:Andrii Yalanskyi/gettyimages

ホテルの重要な経営指標が平均客室単価である。ダイヤモンド編集部は、「月刊HOTERES(ホテレス)」(旧「週刊ホテルレストラン」)のデータを基に、2022年度に「客室単価」が高かったホテルのランキングを作成した。対象は客室201室以上の中規模以上の56ホテル。特集『狂乱バブル ホテル大戦争』の#3では、客室単価が高いホテルのランキングを公開する。「御三家」では、The Okura Tokyoが2位に入った。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

国内ホテルの平均客室単価は2万1902円
4月では96年の調査開始以来、過去最高

 1996年の調査開始以来、4月として過去最高――。不動産データ分析大手、米コスター・グループ傘下のSTRがまとめた今年4月の国内ホテルの平均客室単価(ADR)は前年同月比19.5%増の2万1902円となった。2万円を超える高い水準が続いている。稼働率は同3.9%増の77.0%。前年同月比の伸び率は今年に入り最も高い水準だった。

 インバウンド(訪日外国人観光客)の増加に加え、歴史的な円安も相まって、ホテル需要が激増し、ホテルのADRの上昇が続いている。一方、人手不足を背景に、新型コロナウイルス感染拡大前と比べても稼働率の回復は頭打ち傾向が出ている。

 では、主要ホテルの客室単価はどのくらいの水準なのか。ダイヤモンド編集部は、「月刊HOTERES(ホテレス)」(旧「週刊ホテルレストラン」)が集計した2022年度のデータを基に、「客室単価」が高いホテルランキングを作成した。

 ランキングの客室単価は、年間客室売上高を、総販売可能客室数に客室稼働率を乗じた数値で除すことで算出。客室売上高は、客室のみの売上高でサービス料などは含んでいない。

 22年度は新型コロナウイルス禍による入国制限が10月に撤廃され、インバウンドの影響が客室単価に反映され始めたタイミングでもある。コロナ禍で大打撃を受けた後の各ホテルの客室単価の回復の動向もうかがえる。

 次ページで、客室201室以上の中規模以上の56ホテルの客室単価のランキングを公開する。「御三家」では、ホテルニューオータニが7位に、The Okura Tokyoが2位に入った。外資系ホテルや国内系の有力ホテルの客室単価も紹介する。