数少ない成長産業と目されているコンサル業界。中でも企業のデジタル化の進展は、従来のコンサルの在り方を大きく変えた。コロナショックが企業に変革を迫る中、コンサルもまた変化を求められている。特集『コンサル激変』(全8回)の#1では、コンサル業界のトレンドを理解するための三つの変化を解説する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
コロナショックでコンサルにも明暗
「今年はボーナス激減。採用も抑えているし、だいぶコロナのあおりを食っている」。ある会計系コンサルティング会社の社員は、そう言ってため息をつく。
新型コロナウイルスの感染拡大が企業活動に打撃を与える中、コンサル業界も無縁ではいられない。業績の急降下に苦しむ企業にとって、手っ取り早くコストカットできるのが、コンサルへの投資だからだ。2008年のリーマンショックの際も、コンサル市場は大きく低迷した。
だが、コンサル会社によっても影響に強弱があるようだ。業界全体を見渡すと、悲愴感といった雰囲気はまるでない。
「不景気なら不景気で、構造改革といった案件もあるし、コロナショックにより企業は本気でデジタル化への変革を進めている。むしろニーズは高まってくる」と、ある現役コンサルタントは力強く言う。
今、コンサル業界に三つの大きな変化の波が押し寄せている。働き方や求められる人材だけでなく、それまでのコンサルの「手法」が通じなくなるなどの激変が生じているのだ。
実際、「以前ならあり得なかったような転職例も出ている」(人材紹介会社関係者)。その変化はコロナショックによってさらに複雑さを増しつつある。当事者のみならず、クライアントである企業、コンサルに転職・就職したい人など、関わる全ての人はこの大きな三つの変化を知っておく必要がある。