「カワイイ私の政見放送を見てね!」が24枚
公選法により悪質ポスターの撤去は難しい

 今回、警告が出たのはこのポスターだけではない。他の候補者の枠に貼られたポスターが女性用風俗店の広告だったとして、警視庁は「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首に風営法に抵触する恐れがあるとして警告を出している。

 これまでの報道でも周知の通り、N党からは今回24人が立候補している。ポスター掲示板の24枠を「ジャック」し、N党に一定の額(告示日当時は2万5000円)を寄付すれば、都内に設けられた掲示板に最大24枚までポスターを貼ることができるというのが立花党首の活動だ。

 これを利用した人たちが都内でさまざまなポスターを貼っており、ネット上で確認することができるものだけでも、たとえば人気キャラクターのファンアートと見られるもの、アイドルグループらしき人たちの宣伝、主張不明のかわいい動物のイラストなどがある。

 さらに、立花党首本人が貼ったと思われる、前党首の女性の顔写真と名前に「お金を返してください!」と書いたポスターや、AIのような女性の顔写真とともに「カワイイ私の政見放送を見てね!」とQRコードを掲示したポスターもあった。

 24日には新宿区歌舞伎町でN党のポスター19枚が破られる被害があったと報道されている。報道の写真で確認すると、これは「歌舞伎町ホスト」などと書かれた男性の顔写真入りのポスターだった。

 今回、警告の出たポスターについては自主的に撤去が行われたが、選挙ポスターを無断で剥がすことは公職選挙法に触れるため、候補者が警告に応じなかった場合は撤去が叶わなかったと考えられる。

 選挙ポスターはあくまでも候補者の周知のためとされ、候補者以外の顔写真やメッセージの流布に利用されることは想定されていない。「性善説」が採用されているため、これらの事態には対応できていないのが現状だ。