ここのところ、頻繁に遅刻を繰り返す若手社員。注意しても反省するどころか反抗的な態度を取る社員に業を煮やした社長は、1分でも遅刻をしたら罰金を科すことを新たなルールにしようと考えた。社則を変える前に、まずは専門家の意見を聞いてみようと相談した相手は、歯に衣着せぬ物言いで相談者に愛のムチを入れる、ちょっと風変わりな社労士のカタリーナ。社長に対してカタリーナがしたアドバイスとは……。
高木社長(52歳):地方都市にある従業員数50名の食品卸売業
桂場(24歳):入社2年目の営業部の男性社員
石田(28歳):総務部の女性社員
先月だけで5回!
遅刻が目立ちすぎる入社2年目社員
高木社長「桂場はどうした?もう始業時刻を10分過ぎているのに、今日も遅刻か?」
石田「はい、まだ連絡もありません。ここ2~3カ月、かなり遅刻が目立っています。先月は5回も遅刻がありました。社長からもっと厳しく注意していただけませんか?」
高木社長「私からも何度か指導はしたのだがね」
2人が話しているところに、桂場がやってきた。
桂場「すみません、電車が遅延していまして……。途中で連絡しようと思ったのですが、スマホを忘れてしまって」
高木社長「朝の満員電車なんてしょっちゅう遅延するだろう?それを見越して早めに家を出るのが社会人ってものだ。これ以上、電車遅延の言い訳は通用しないぞ」
桂場「社長、お言葉ですが、今どき毎日出社しなければいけないというのはどうなんでしょうか。他の会社ではテレワークも認めています。みんなもテレワークを希望しているのではないでしょうか?」
高木社長「話をすり替えないでほしいね。君の遅刻が職場の風紀を乱しているんだよ!」
桂場「始末書だったらいくらでも書きますよ?」
反省する素振りもなく、桂場は立ち去ってしまった。