ペナルティを課すのではなく
「早く会社に行きたくなる」方向性を考える
カタリーナ「発想を転換してみたらどう?ペナルティを課す代わりに、早く会社に行きたくなる、もしくは『遅刻したら損だ!』と社員に思わせる仕組みを考えてみるとかね。例えば、『皆勤手当』は定番の施策だけれど、無遅刻・無欠勤でもらえる手当というのは分かりやすいわ。ほかにも朝食の補助とかね。会社に合った施策を考えてみたらどう?」
高木社長「早く出社して仕事の準備をするのは、当たり前のことだと思っていましたがね」
カタリーナ「もちろん遅刻はダメ。でも、頭ごなしに叱っても根本的な解決にはつながらないわ。それに、最近になって遅刻が増えているなら、心身面で問題を抱えている可能性もあるから、もっと丁寧に話を聞いてみた方がいいと思うわ」
高木社長「そうですね。私もついイライラが募ってしまって、そこまで考えてやれていなかったかもしれません」
カタリーナ「もう一度、よく話し合ってみてほしいわ」
●労働基準法第16条では、『使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない』と定めている。
●労働基準法第91条では、『就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない』と定めている。
●労働契約法第15条では、『使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする』と定めている。
※本稿は一般企業にみられる相談事例を基にしたフィクションです。法律に基づく判断などについては、個々のケースによるため、各労働局など公的機関や専門家にご相談のうえ対応ください。
(社会保険労務士 佐佐木由美子)