「本当に頭のいい人」と「学歴だけの人」の決定的な違い、鈴木宗男が次の自民党総裁に求める能力とは?Photo by Wataru Mukai

政界の裏側を知り尽くした鈴木宗男議員が、「裏金問題」の核心に迫る。「政治とカネ」の実態から次期首相候補に求める「頭の良さ」まで、40年以上の波乱万丈な政治経験から語られる鋭い洞察が日本の政治の内幕を照らす。(構成/ライター 梅澤 聡)

この連載は、派閥論の名著と名高い渡辺恒雄氏の『派閥と多党化時代』(雪華社)を復刊した『自民党と派閥』(実業之日本社)を事前にお読みいただいたうえで取材をしています(一部を除く)。連載の新着記事を読み逃したくない方は、連載のフォローがおすすめです。メールで記事を受け取ることができます。

自民党税調こそが諸悪の根源

――自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件に注目が集まっています。鈴木さんは、「政治とカネ」の問題について、どこに原因があるとお考えでしょうか?

 私は、政治腐敗の一番の要因は「税調(自民党税制調査会)」だと思ってます。税制は各業界の利害が複雑に絡み合うことから、税調は各業界団体からの税制改正要望の取捨選択を一手に引き受けています。

 また、関係した団体はパーティ券購入などを行っています。そして、恩恵を受けた業界団体は、その見返りとして自民党に献金しています。それぞれ業界にとって税率が上がるか下がるかで、会社の実入りに直接関わってくるわけですから。これは間違いなく贈収賄の類だと思いますよ。昔は税調が開かれる会議室のあるフロアは、各業界の関係者や報道陣でごった返したものです。

 この自民党税調こそが諸悪の根源、利権構造です。 どの税金を上げるか下げるか、そのさじ加減一つで、パーティ券を何枚買ってもらうか、いくら献金してもらうかって決まってるんですから。

「本当に頭のいい人」と「学歴だけの人」の決定的な違い、鈴木宗男が次の自民党総裁に求める能力とは?Photo by Wataru Mukai

 今回の「裏金問題」に関しては、マスコミも、攻める立場の野党もピントがずれてますよ。なぜなら秘書の監督責任は政治家にあるんですから、政治家の「監督責任」を徹底的に追及するのが筋なんです。

 清和会の場合は「政策集団としての不記載」です。安倍派の松本(淳一郎)事務局長は、かわいそうですよ。彼は世耕(弘成・前党参院幹事長)さんに呼ばれてNTTを辞めた後、2018年に派閥の会計責任者になったんですが、仕組みも何もわからないままやったんじゃないでしょうか。

 二階さんの場合は、自分自身の政治団体で2億6000万円もの裏金をつくり、自身の秘書が略式起訴されてるわけですから、検察は本来なら二階さんも起訴するのが筋じゃないですか。二階さん自身も「秘書の責任じゃない。俺の責任だ」と言って議員バッジを外すべきなんです。

――なぜ検察は、二階さんを立件しないのでしょうか?