親が模試の「計算問題」を解くことで
ミス解決に一歩近づく

 特訓の第一段階は、「ケアレスミスとの向き合い方」を知っておくこと。3つのポイントを抑えていきましょう。

(1)「ミスはあるもの」という前提にする

 講演会で「ケアレスミスが多くて困っている人、挙手をお願いします」と呼びかけると、ほぼ全員の手が上がります。つまり、「ミスがあるのはうちの子だけだ」と思い込む必要はないのです。ご安心ください。

(2)親が模試を解いてみる

 その上で、子どもが解いている問題を親の皆さんも一度解いてみてください。塾の模試に出ている「計算問題」がおすすめです。

 解いてみると、小学校で各教科の単元が終わるごとに行われるカラーテストと違い、塾の模試は一問につき何回も計算をしなくてはならないことに気づきます。また、学年が上がると( )や{ }も増えていき、式の途中が煩雑になるため、ミスを誘発するような作りになっていることにも気づかれることでしょう。

 多くの親たちからよく、「塾に長時間、高いお金を払って通わせているんだから、「計算くらい」はできてもらわないと困る」と言われますが、実は「たかが計算」とは言い切れない奥の深いものです。

 また、親が問題を解くことで、子どもができるようになった時に、心から「よく出来るようになったね!」「頑張ったね!」という言葉が自然と出てくるようになります。子どもは、親の実感がこもった称賛の言葉を聞いて、きっと自信を持ってくれることでしょう。

(3)ミスの分析をする

 子どもによって、どこでミスをするかはバラバラです。「漢字や語句が違う」「問題文の読み間違いが多い」「解答の条件に合ってない」「考え方は合っているが最後の計算でミスをしている」など、多い間違いの傾向を探ることが解決の糸口となります。

「ミスをなくしなさい」「はいはい」という会話では、具体的な解決方法が見えてきません。「何に気をつければミスが減るのか?」というところまでを分析していきましょう。

 では、具体的にどうすればいいのでしょうか。計算を例にとってみると、次のようなものが出てくるかと思います。

・0と6など、数字が汚くて判別できない。
・かけ算・割り算、足し算と引き算の順番があいまい。
・筆算の時に線がまっすぐでないので、ズレた計算をしている。
・計算を用紙のあちらこちらに書いているので、今どの計算をやっているのかが良くわかっていない。
・分数にして計算すべきところも、かたくなに小数で計算している。
・計算の工夫が可能なのに、左から計算している

 などです。どのミスをしたのか?を言語化して、ノートに書くようにすると改善は早いでしょう。