それがよくわかるのが、7月27日に佐賀県初出店となった「佐賀北川副店」である。実はここのオーナーは、タレント・優木まおみさん。佐賀出身の優木さんはご両親が飲食店経営ということもあって、自身でもいつかは自分でも飲食店をやりたいと思っていたが、経験がなかった。そんなとき、「鰻の成瀬」のフランチャイズシステムに興味を持って、今回オーナーになったという(7月29日 佐賀新聞)。

 飲食未経験者でもチャレンジできるという点では、これほどわかりやすいモデルケースはない。今後も運営会社にはフランチャイズ希望者が殺到するのではないか。

急成長の秘訣は徹底した「高齢化対応」

 さて、このような話を聞くと、「鰻の成瀬は軽量オペレーションによる省人化で、うなぎ専門店のようなうな重をリーズナブルに提供をしているから人気があるのだな」と感じる人も多いだろう。実際、「鰻の成瀬」の急成長を分析するような記事では、このような結論に至っていることが多い。

 もちろん、そういう部分も無関係ではないが、個人的にはあまりにも外食経営側の目線に偏った話で、消費者目線が欠如している気がしている。日本人が大好きな「品質いいものを安く提供すれば消費者は買い求める」というプロダクトアウト的な発想にとらわれて、大事なことを見落としてしまっているのではないか。

 それは何かというと、「高齢化対応」である。