自分を正当化して相手を責めるのもその一つで、B男さんの親は、B男さんがいい成績を上げないと機嫌が悪くなったそうで、「これだけお金をかけているのに」と、学費や習い事に費やした費用を持ち出して、事あるごとに罵倒してきた。

「離婚の原因になるDV・モラハラ夫(または妻)と、毒親は共通点が多く、むしゃくしゃしているから毒を吐くパターンもあれば、毒を吐くことで子どもを威圧するのが目的なケースもあります。子どもとは上下関係のなかで接しようとして、支配することで優越感にひたるのです」

「子どもは生まれてから親の庇護のもとで育つので、上下関係になりやすいのですが、子どもが成長するにつれて対等な形にならないといけないところ、子どもが成人してからも上下関係であり続けるので子どもから嫌がられる毒親になってしまいます」

 B男さんは子どものころ、放課後は習い事でスケジュールはびっしり埋まり、友達と遊ぶ暇がないほど追い立てられていたそうだ。テストの点が良くなかったときは、「そんな成績では医学部に入ることはできない」というのが母親の口癖だった。

 高校は進学校に進んだが、その先の進路について相談しようものなら全部否定され、「お父さんの跡を継ぐのは当たり前」「なぜ、お前は言うことを聞かないのか」など、人格を否定されるような言葉を浴びせられた。