「結局は共依存の関係になってしまったのです。母は娘を手放したくない、幼少の頃から姉妹で比較されてきた娘は、母の愛がほしかったので独り占めできると思ってしまったのではないでしょうか」

 母が他界した後、おひとりさまになったC子さんの老後は安泰とは言えるのだろうか。それが、介護離職の問題でもある。

 後編では介護離職しないで親を捨てた会社員のケースを紹介する。

太田差惠子さん
介護・暮らしジャーナリスト。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP (日本FP協会)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第3版』 (翔泳社)、『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門 第2版』(共著,KADOKAWA)など多数。 

【毒親は標的を選ぶ】「できのいい姉」と「できが悪い妹」、実母が介護離職に追い込んだのはどっち?太田差惠子さん 撮影:筆者