コンパニオンは28歳で時が止まる!?
年齢サバ読みの実態とは

 エントリーの多い人気の案件だと事務所の中で選考が行われ、通過した人に絞ってクライアントに書類を出すということもあるようです。企業によって、求められるコンパニオンの特徴は「清楚系」「ギャル系」などと異なるので、イメージに合ったコンパニオンが選ばれるのは当然ですが、ここでもうひとつ大切な要素は「事務所が信頼している人かどうか」。

 これまでの仕事での高評価、徹底したスケジュール管理能力、ルールや時間を厳守できる真面目さ、明るい笑顔での対応……今までの様子からマネージャーは、お気に入りのコンパニオンを推すことがあるのです。

 どのコンパニオンを採用するかを決める上で、クライアントは提出された書類を見ます。掲載されているのはコンパニオンのバストアップと全身写真、身長、体重、年齢、スリーサイズ、これまでの仕事の経歴です。宣材写真は、プロのカメラマンが撮影した「奇跡の一枚」。「宣材写真と違い過ぎる」という理由で、イベント初日に帰らされたコンパニオンもいるとか。

 また、多くのクライアントはコンパニオンたちに若さを求め、実際に私が初めて事務所に登録した時も、マネージャーは実年齢ではなく「20代半ばに見えるか」「スタイルは良いか」を基準にしていました。

 当時の私はアラサーだったのですが、書類では20代半ばにさせられました。その上で何度か現場に入ると、それは自分だけではないと知りました。「コンパニオンは28歳で時が止まる説」です。実年齢(30代前半)で登録したコンパニオンは「なかなか採用されなくて、選考書類の年齢を20代に変えると急に受かるようになった」と話していました。

 身長も同様です。「165センチ以上」「170センチ以上」を採用条件にする企業も少なくありません。私は158センチと、コンパニオンの中では背が低かったので、書類上の身長は160センチになっていました。

 コンパニオンの実際の姿を見て決めたいという企業はオーディションを開催します。そんな時、私たちは自分のスタイルのわかるタイトな服を着て、高いヒールをはき、メイクやヘアスタイルに念を入れて会場に向かうのがマナーでした。

 オーディションは面接で経歴やアピールポイントを聞かれますが、実際にクライアントが見ているのは外見とコミュニケーション能力でした。面接前にヒールの高い靴を脱いで、裸足で実際の身長を測ることも多々ありました。