ルックスが良くても現場に入れない
「稼げない美女」の特徴は?
なお、東京モーターショー(当時)、東京ゲームショウ、東京オートサロンはほぼすべての企業ブースでオーディションがありました。次回以降の記事では、私がこの三大展示会のオーディションを受けた経験も詳しく書きます。
仕事をもらう仕組みに話を戻します。選考に通ると、表題に【決定】と記載されたメールが届きます。クライアントが数あるコンパニオンの中から選んだので、入る仕事が一度決まった人は後からキャンセルできません。
ここで絶対にしてはいけないのはダブルブッキング。一度ミスするとせっかく築き上げた事務所との信頼関係が崩れることも。【決定】メールを確認すると、すぐにスケジュール帳に書き込み、ほかの事務所に「この日は〇〇の案件にエントリーしていましたが、ほかで決定になったのでキャンセルします」と電話をします。
ちなみにドタキャンは、ある事務所から「家族に不幸があっても来て」と言われるほど、絶対にしてはいけないこと。このあたりは芸能人と似ているのかもしれません。
イベントや展示会初日はマネージャーやディレクター、同じ現場のコンパニオンと集合します。私は30分前到着を意識していました。電車の遅延であっても時間を守らなければマネージャーからの信頼を失い、ほかのコンパニオンとの関係も悪くなるからです。
スケジュール管理と時間管理。これができないコンパニオンは、どんなに美人でも仕事に入れず無給になります。反面、東京のコンパニオンは、事務所やクライアントに気に入られると、コンパニオンの仕事だけで生活することができます。
筆者が活動していた時期と地域(新型コロナウイルス禍の前であり、東京都内での展示会)に限って話をすると、通常のコンパニオンのギャラは日給1万2千円がベースでした。基本的に交通費は出ません。企業によっては英語コンパニオンの枠を設けていて、この枠で採用されれば、通常のコンパニオンより日給が数千円高くなります。
また、私はナレーター研修も受けていたので、ナレーターコンパニオン(通称ナレコン)の枠があれば積極的にエントリーしました。ナレーターとコンパニオン、どちらの役割も担うのがナレコンです。これは日給1万5千円から2万円もらえました。
当時の私はライターと兼業でコンパニオンをしていたのですが、空いている日はどんどんと案件にエントリーをして、いつのまにか27連勤になっていたこともあります。これもコンパニオンの世界では珍しい話ではありませんでした。
※ほかの地方では仕事の数やギャラ、休憩時間、業務内容、コンパニオンの事務所の掛け持ちの可否など、大きく異なる点があります。