ガソリンエンジンを造ってきたエンジニアは、EVに拒絶反応を示さない?

M:現在はエンジンを造り続け、エンジンの改良も重ねています。一方で電気系のエンジニアを大量に採用しています。もともといるエンジニアに対し、電気関係の教育も進めています。

 で、ここで理解していただきたいことがあります。今までエンジンを造っていたエンジニアが、EVに拒絶反応を示すかというと、全くそんなことはありません。エンジニアの習性として、「課題解決」が挙げられます。彼らは課題を受け入れ、それに対するソリューションを出すことに情熱を燃やすのです。EVだからとかエンジンだからとかはあまり関係がありません。「オフロードの良いクルマを造る」。それが彼らの最終目標です。

 技術が変わっても、同じ結果、あるいはより高い結果が出ればいいんです。今は大変な移行期です。本当に馬車から自動車に変わるくらいの、100年ぶりの大転換期に我々は生きているのです。革命的な転換期です。

F:その大転換に、ついてこられない会社が出るかもしれませんね。

M:出るでしょう。出ると思いますよ。コダックのように、どんなに大きく立派でも自己改革ができずに舞台から去ってしまう会社が出る可能性は、大いにあり得ます。大切なのは自己改革です。変わらなければいけない。新しい技術や空気をどんどん取り入れなければいけない。我々がラグジュアリーを明確に打ち出しているのもそのためです。野心的なブランドで4つを打ち立てて、意識を高く。この技術の主導的な立場でいたいと思っています。