EVの課題「重い、高い、航続距離が短い」は解決できるのか

F:EVにはいま強い逆風が吹いています。2024年は販売台数過去最大を更新しそうですが、伸び率は明らかに低下している。「EVよりもハイブリッド」という雰囲気が醸成されつつあり、各自動車メーカーは、EVモデルの投入計画にブレーキをかけようとしている。

「重い、高い、航続距離が短い」、この3つの課題を解決できないと、補助金が切られたEVの存在は危うくなるように思います。これらは解決していけるとお考えですか?

M:もちろん解決できます。まずはコスト。これはボリュームが解決します。生産量が増えればコストは低下する。供給が増えればサプライチェーンも充実し強化される。コストはどんどん下がります。そしてバッテリーのリサイクル。バッテリーで使われているさまざまな金属類のリサイクルを進めています。やはりEVの鍵を握るのはバッテリーの進化です。コストダウンと軽量化に注力しています。

 ここで大事なことをお話します。ご存じの通り、JLRの親会社はインドTata Motorsです。タタのグループ会社にアグラタスというバッテリー部門の会社があります。アグラタスとタタテクノロジーズは、電気モビリティソリューションの開発に向けて、提携することを発表したのです。この提携は、タタが積極的に電気モビリティのエコシステム構築に取り組み、EVの生産と世界的な普及に邁進する意気込みを表しています。イギリス国内にも、ギガファクトリーを建設することが決まっています。

F:親会社のタタが……そこまでEV体制が進んでいたとは驚きです。

M:いずれは取り組まなければならない事なのです。何しろ法規ですからね。世界的に許される国がなくなるのですから。

F:本当にそうなるのかなぁ……。

M:なりますよ(笑)。もう決まっていることですから。