ノーマルのIONIQ 5よりも幅広く、長く仕上げられたボディサイズは、全長×全幅×全高=4715×1940×1625mmと結構な大柄だ。しかし動作はキュンキュンと小気味よく俊敏で、運転中に車体の大きさを感じることはない。むしろ乗る時間が増えるほどに、ボディがどんどん小さくなっていくような錯覚に捕らわれる。ボディの四隅が把握しやすいのだ。

 前者追従、レーンキープの性能は申し分ない。さすがは電子立国韓国のクルマだと感嘆することしきりである。エアコンもよく効く。久しぶりにプレイしたゴルフの結果は散々だったが、往復のドライブは最高に楽しむことができた。

東名高速のSAで高速充電

 翌日は、富士山の裾野にある「イエティ」なるスキー場で開催されたスパルタンレースに出場するため、東名高速に乗り御殿場へ向かった。連日の高速走行で充電残量が心配だ。スマホでサービスエリア充電器の利用状況を確認すると、うまい具合に海老名SAで90kW充電器が空いている。SAに入ってすぐの充電エリアにクルマを止め、充電を開始する。

 ダッシュボード上のディスプレイを見ると、実質充電レートは80.5kwと表示されている。この勢いで充電できるとは、送電側も受電側も非常に優秀だ。

 と……。充電を始めた途端に、ものすごい勢いでボンネット内の電動ファンが回り始めた。高電圧の充電で、バッテリーの温度が急上昇するのを避けるためだろう。それにしても凄い回転だ。バッテリーは温度の変化に弱く、熱くなり過ぎても、そして冷たくなり過ぎても充電効率が著しく低下する。そのため周辺の温度状況にあわせて、電気を使ってバッテリーを冷やしたり温めたりしなければいけないのだ。

 充電効率を良くするために、電気を消費しながら電気を入れる。塩を舐めながら砂糖をかじるようなものだ。あるいはアクセルとブレーキの同時踏み。うーむ。何とも異様な光景が目の前で繰り広げられている。

 充電が済み、東名本線に戻る。御殿場まであと少しだ。