ニデックが過去最高の1Q決算も、その裏で「営業利益2割減」に陥った電子部品メーカーとは?Photo/bloomberg/gettyimages

2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はニデック(旧・日本電産)や村田製作所などの「電子部品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 濵口翔太郎)

電子部品4社がそろって増収も
営業利益で明暗

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の電子部品業界4社。対象期間は2024年2~6月の四半期としている(4社とも24年4~6月期)。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ニデック(旧・日本電産)
 増収率:14.8%(四半期の売上高6482億円)
・村田製作所
 増収率:14.7%(四半期の売上高4217億円)
・京セラ
 増収率:4.1%(四半期の売上高4989億円)
・TDK
 増収率:3.1%(四半期の売上高5188億円)

 電子部品業界の四半期増収率は、4社そろって増収という結果だった。このうちニデックは、営業利益も前年同期比0.1%増の603億円に拡大し、売上高・営業利益が四半期として過去最高を更新した。

 一方、残る3社の営業利益に目を向けると、2社は大幅増益を果たしたのに対し、1社が「約2割の減益」と明暗が分かれた。

 今回分析対象とした企業の中で、営業利益が「独り負け」となったのはどの企業なのか――。ニデックの好調要因と合わせて、次ページ以降で詳しく解説する。