成田空港の輸出額が過去最高を記録

 輸出量の増加にけん引される形で、国内最大の航空貨物取扱量を誇る成田空港の24年上半期の輸出額は、半期の実績として過去最高額を記録した。東京税関が発表した成田空港の貿易概況(速報)によると、上半期の輸出額は8兆2066億2300万円(13.9%増)。輸出額の6割強を占めるアジア地域は5兆4858億6000万円で17.0%増となり、その他の地域もASEANを除くすべての地域で前年比増となった。

 国別では、最も輸出額が多い中国が1兆6370億4400万円(33.3%増)となっており、香港の1兆2363億6500万円(23.8%)が続く。主要品目の動向をみると、半導体製造装置の輸出額が53.0%増と大幅に増加しており、半導体等電子部品も15.0%増と好調。中国(香港・マカオ含む)向けでは、半導体製造装置の輸出額は前年比で2.4倍の大幅増となっている。

海上輸送が再び混乱、航空輸出増加に影響

 この他、新たな海上輸送の混乱が航空輸出の増加に影響を及ぼしている。紅海における武装組織からの船舶攻撃を回避するための迂回ルート選択によるリードタイム延長に加え、パナマ運河の水位低下による通航制限も影響し、海上運賃が高騰。これにより、貨物が航空輸送へ流れていることも要因として考えられる。

 輸出の好調を横目に、輸入に関しては低調が続く。JAFA発表による24年上半期の航空貨物の輸入通関件数は83万3521件で、前年比で7.5%減となっており、月ベースの実績では22年2月以降減少が続いている。円安の影響で輸入品が値上がりし、国内の消費を押し下げていることも要因のひとつとなっている。

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