連載の新着記事を読み逃したくない方は、連載のフォローがおすすめです。メールで記事を受け取ることができます。

 そこで、大物議員が多数のポストを兼務することを止める「1人1長制度」を導入しました。限られたポスト数の中で、中堅・若手でも長を務められるようにすれば、組織をまとめる力がつきます。だからなるべく多くの議員に長を経験させたい、と。

すべての派閥に嫌われた…高市早苗の政調会長時代「お前は何様だ!」ブチギレる重鎮に返した、直球すぎる言葉とは?高市早苗氏 Photo by Wataru Mukai

 そこで重職を兼務しておられる先輩議員に電話して「今回の人事から『1人1長制度』にします。現在の3つの役職のうち、残すとしたらどれになさいますか」と尋ねたら、「お前は、何様だ!」などと、こっぴどく叱られました(笑)。「政調会長でございます」とお答えしてますます怒らせてしまいましたが、最後は事情を理解して下さり、長年務められた愛着ある役職を手放してくださいました。

――派閥の役割として「若手の育成」があげられますが、今のお話だとむしろ成長を阻害することもあるということでしょうか。

 本来は、派閥にかかわらず、党三役などの職に就いたほうが注意深く所属議員の得意分野を見定めて、戦略的に人材を配置するべきだと思います。

 私自身、無派閥でも議員立法案は多く書いていましたので、「自分からポストを要望しなくても、誰かが見ていてくれるだろう」と思い込んでいたら、何も声がかからず無役で過ごした時期もありました(笑)。

――高市さんは昨年から「『日本のチカラ』研究会」という勉強会を主催されています。

 勉強会と言っても小さな会です。もともと、私1人で専門家の先生をお招きして勉強していたのです。大臣になると、担務以外の情報が入ってこないし、党の政調会にも出席できないので、視野が狭くなってしまうんです。