9月は例年、企業の株式公開が盛んな時期だが、今年は8月に株式相場が乱高下したことで一部の案件が凍結されている。株式公開の是非を検討している企業は、年内上場に向けて今すぐ決断するか、あるいは2025年に先送りするか、数週間以内に重大な決断を迫られることになる。見通しは明るくない。多くの銀行関係者、弁護士、企業幹部によると、新規株式公開(IPO)を検討している企業の間では来年まで待つべきだとの見方が大勢になっている。このところ不安定な相場が続いている上、11月の米大統領選や米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ幅を巡る不透明感から再び相場が荒れる可能性もあるからだという。自動運転技術を手掛ける中国企業の文遠知行(ウィーライド)は先週、書類の最終調整にさらに時間がかかるとして、IPOを延期した。チケット転売サイトの米スタブハブは7月、IPOに向けたロードショー(投資家説明会)を9月以降に延期した。この案件に詳しい複数の関係者によると、IPOは2025年以降になる可能性が高い。