賃金のデジタル払いとは?

 そうは言っても、社長の言葉を無視するわけにもいかない。困った永田は、社労士のカタリーナに相談することにした。

カタリーナ 「こんにちは!社労士のカタリーナです。今日はどんなご相談かしら?」

カタリーナ

永田 「早速ですが、デジタル給与について相談させてください。急に、うちの社長が当社でも導入したいと言い出しまして……正直、面倒な仕事は増やしたくないんですよね」

カタリーナ 「賃金のデジタル払いね。PayPayが初の資金移動業者に指定されてから、問い合わせが増えているようね」

永田 「社長の思い付きでやりたいと言われても……。私は普段からナントカペイみたいな、はやりの電子マネーは利用していません。定期券があるからSuicaくらいは時々使いますが。クレジットのタッチ決済で十分じゃないですか?」

カタリーナ 「まぁ、気持ちは分からないわけではないけれど。クレジットカードは審査があるから、誰でも持てるわけじゃないわよね。それに外国人にとっては、クレジットカード以前に銀行口座を開設するのもそう簡単じゃないでしょ?電子マネーなら口座の開設も簡単だし、現金を持ち歩く必要もないからますます広がっていくんじゃないかしら」

永田 「でも、災害とかシステム障害で使えないこともあるし、事前にチャージするのも手間でしょう?」

カタリーナ 「賃金のデジタル払いが可能になれば、チャージする手間も省けるわ。ただ、利用できるのは厚生労働大臣が指定した資金移動業者に限られるけど。今審査中の事業者もあるから、選択肢はこれから増えていくわね」