IONIQ 5→IONIQ 5 Nと乗り換えるユーザーがほぼいない理由

F:どのような方が買っているのでしょう。やはりノーマルのIONIQ 5からの乗り換えが多いですか?

七:本当に様々な層のお客様に買っていただいていますが、IONIQ 5から乗り換えの方は今のところほとんどおられません。この理由は明確で、みなさん補助金を受けて買っているからです。EVは国や地方自治体から結構な額の補助金が出ます。補助金を受けたクルマには4年間の「処分制限期間」というものがあるんです。

F:なるほど。4年間の縛りがある。補助金を受けたクルマをサッサと転売されてしまったら、補助する意味がないですからね。

 補助金を受けて取得したEVを含むクリーンエネルギー自動車は、一定期間処分することができないルールがある。「処分」は販売だけでなく、譲渡も交換も貸し付けも含まれる。更には勝手に廃車することも、借金のカタに入れることも禁じられている。処分制限期間内に「処分」する際は、事前に一般社団法人次世代自動車振興センターの承認を受ける必要がある。勝手に処分したことがバレると、補助金の全部または一部に年率10.95%という高率の加算金を加えて返納することになる。更には刑事罰が科される可能性もある。結構厳しいのだ。

七:はい。新車のEVを補助金を受けて購入すると、最低4年間は乗り続けていただく必要があります。4年以内に売却してしまうと、期間に応じて補助金を返済する必要が出てきます。通常のIONIQ 5の国内発売は2022年なので、まだ2年しか経っていない。補助金を返納してまで乗り換えよう、という人は少ないですから、IONIQ 5からNへの乗り換えはほとんどいらっしゃらない、という訳です。

F:なるほど分かりやすい。