650馬力のEVって、めちゃくちゃお金がかかるのでは?

F:それにしても650馬力はすごかった。本当に速かったです。

担当編集アヤノ:あの……速いのは良いのですが、主婦的な視点で見ると、燃費?電費?が心配です。650馬力という感覚はいまひとつピンと来ませんが、そんなに大馬力の電気自動車だったら、ものすごく電気を食うんじゃないんでしょうか。ガソリン代ならぬ電気代が、めちゃくちゃ高くなるのでは?

七:それがそうでもないんです。ここが電気自動車の素晴らしいところで、スイッチひとつで切り替えができる。エコモードにして走ってもらえば出力を抑えて走りますので、ベース車と同じぐらいになる。いわゆる「キャラ変」です(笑)。エコモードに入れれば全くの別物になってしまう。購入者アンケートを見ると、この機能のおかげで奥様の賛成が得やすかった、という回答が複数ありました。

担当編集アヤノ:それなら安心です(笑)。

Hyundai Mobility Japanマネージングダイレクターの七五三木敏幸氏Hyundai Mobility Japanマネージングダイレクターの七五三木敏幸氏 Photo by A.T.

F:それにしても、なぜヒョンデはこのようなものすごいクルマを電気自動車で造ったのでしょう。EVに積極的なメーカーというイメージはありますが、ヒョンデのEV比率は、現在6.4%。まだまだICE(編注:ガソリンやディーゼル燃料などを使う内燃機関、一般的なエンジンのこと)が多いですよね。

七:確かにその通りで、ハイブリッドではなく電気だけで、エンジンに一切頼らないEVでスポーツカーを造るのはどうなのか、という議論はたくさんありました。ですが現時点で私たちが出した結論は、「ガソリンで高性能パフォーマンスカーを造るよりも、EVで造った方がぴったりフィットする」ということでした。

F:フィットとは?何にフィットするのですか。