元ポルシェジャパンの代表は、日本でIONIQ 5 Nをどう展開?

 今回お届けするのは、ヒョンデが発売する650馬力の超絶電気自動車、IONIQ 5 Nのインポーターインタビューである。お話を伺うのはHyundai Mobility Japanマネージングダイレクターの七五三木(しめぎ)敏幸氏。

 ご存じの方もいらっしゃるかもしれないが、七五三木氏は元ポルシェジャパンの代表取締役社長。新車の取り合いになっている昨今では考えられないことだが、当時低迷していたポルシェの国内販売台数を、社長に就任して短い期間で倍以上に引き上げた、文字通りの「敏腕社長」である。

 お世辞にも大売れとは言い難い現在のHyundai Mobility Japanにおいて、氏はIONIQ 5 Nをどのように展開していくのか。早速お話を伺おう。

特別仕様のIONIQ5 Nと。右がHyundai Mobility Japanマネージングダイレクターの七五三木敏幸氏と筆者特別仕様のIONIQ 5 Nと。右がHyundai Mobility Japanマネージングダイレクターの七五三木敏幸氏、左が筆者 Photo by AD Takahashi

ヒョンデIONIQ 5 Nは「世界最安のスーパーカー」?

 前々回の記事(https://diamond.jp/articles/-/348544)でお伝えした通り、今回の主題であるIONIQ 5 Nは、最高出力650馬力。0-100キロ加速は3.4秒(N Grin Boost使用時)。最高速度260km/hを叩き出す、4輪駆動のスーパーEVである。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):しかし、ものすごいクルマを造ったものですね。コンパクトなボディに650馬力の超絶パワー。しかも価格が800万円台。現段階では、間違いなく“世界最安のスーパーカー”でしょう。

Hyundai Mobility Japan 乗用車事業担当 Managing Director 七五三木敏幸さん(以下、七):実際に試乗されてみて、いかがでしたか。楽しんでいただけましたか?

F:それはもう十分に堪能させていただきました。「脳味噌が揺さぶられる」という、今まで経験したことのない感覚を得ることが出来ました。速くて安い、しかも気難しいところが一切なく、極めて扱いやすい「手の届くスーパーカー」と言った印象です。売れ行きは順調ですか?

七:ありがとうございます。ただ実は、弊社では、スーパーカーではなく、「高性能パフォーマンスカー」と呼んでいるんですよ。おかげさまで、日本へ入れた50台のファーストエディションは完売に近い状態です。