高性能パフォーマンスカーだからこそ、EVで造る
七:高性能パフォーマンスカーが求める特性です。一言でいうとレスポンス。エンジンは何をどうしたってモーターのレスポンスにはかないませんから。
F:なるほどレスポンス。大容量のバッテリーを積んで高出力のモーターを回せば、取りあえず高いパワーとレスポンスが得られそうです。
七:ところが話はそんなに簡単ではありません。EVで高性能パフォーマンスカーを造るときの一番の問題は、熱のコントロールです。アクセルをバンバン踏めば、つまりバッテリーとモーターに高い負荷を掛ければ、当然発熱します。
これは、どこのEVメーカーも加速性能をアピールするためにやっていることなのですが、例えば0-100キロのチャレンジ。名の立ったブランドであれば、どこも3秒から5秒くらいの好タイムを出してくる。あえて名前は伏せますが、ICEの看板車種と同じくらいのタイムを出してくる。
F:看板車種のガソリン車に負けないタイムが出せるんですね。EVの未来は明るい。
EVで全開走行を繰り返すとどうなるか?
七:ここだけを見ればそう思いますよね。1回目はまだ良い。すごいタイムが出る。やっぱりEVはすごいや、となる。ではそれを連続で繰り返すことでどうなるか。例えば1回目のアタックが5秒だったクルマも、10回連続でやると20秒になっちゃうんです。
F:なんと!5秒が20秒に!全開走行を繰り返すと、そこまで落ちてしまうものなんですか?20秒なんて、軽トラより遅いじゃないですか。