記憶力や読む速度よりも
「理解力」で勝負する

 学習開始から合格までは、3年ちょっとの時間を要しました。ほとんど勉強しないで受験した初回を入れれば、4回目の受験で合格しました。

 一番ショックだったのは、2回目の受験時、それなりに勉強していたにもかかわらず、1回目と大差がない点数だったことです。法律は暗記すればよいと考えていましたが、条文が作られた背景や理屈を理解していないと得点できない事実を実感しました。

 対策として、自分なりの解釈や注意ポイントをまとめた「論点ノート」を作成。通勤時や就寝前に目を通すようにして、記憶を定着させるようにしました。

 なお、年齢に伴う記憶力の衰えは否定できませんが、クイズ番組の出題のように単純記憶を問う問題だけでなく、前述したように理解力を問う問題がありましたので、あまりハンディとは感じませんでした。

 社労士試験に限らず、資格試験では、正確に数字や語句の意味を覚えることが求められます。しかし、試験の難度が上がれば上がるほど、単純な暗記力だけでなく、理解力も問われます。あまり記憶力の衰えという点については、気にしないほうがよいと思います。

 問題を読む速度についても同様です。試験では数十ページにわたる問題を時間の制限の中で解かなければなりません。反射神経が衰えていく中高年には不利、速読力があるほうが有利と考える人もいるかもしれません。

 しかし、時間内に問題を読み終わらないというような状況は起こらないと思われます。それよりも怖いのは、問題文を読み飛ばしてしまった結果、ひっかけ問題に対応できず、失点してしまうことです。

 したがって暗記術や速読、瞬読法などのノウハウを身につけることに時間や精力を注ぐよりかは、1分でも試験内容について勉強することをお勧めします。

 トータルの学習時間は受験2回目と3回目が600時間前後、4回目が700時間と、800時間にはおよびませんでしたが、連休とお盆休みにまとまった時間を確保できたことで、効率よく学習を進められたと思います。