外国へ行き、外の世界を知らないとダメだという声も

 非難の声はサッカーを超え、幅広い分野に飛び火した。試合後、中国ではこんな声が上がっている。

「0-7は、国家統計局が偽装できない唯一の数字だ」

「我々が日本に負けたのはサッカーだけなのだろうか?いや、決してそうではない。サッカーは氷山の一角に過ぎない。我々が負けたのは、国の体制と制度だ。(負けているのは)医療福祉、食品の安全、教育、民度、ノーベル賞受章者の人数など、数えたらきりがない」

 中には、「外国へ行かないと、外の世界が分からない」「(中国が)門戸を閉じれば、いつまでも『我が国はすごいぞ!』という自己満足で終わってしまう。今回の試合は、自分を見つめ直すいい機会となった」といった客観的な視点に立つ意見も増えてきた。サッカーの試合のように、公に世界共通のルールの下で他の国と競争したら、他の分野でも他国にボロ負けしてしまうのではないか、と言う人まで出てきた。

 さらに驚くべきことに、これまで何かと日本を批判し、反日的な言論・行動がエスカレートしていたのに、今回はそうした動きがほとんどない。代わりに「歴史問題とは別に、日本の良いところを謙虚に見習うべきだ」「日本は素晴らしい国で、アジアの光だ」「日本のサッカーが強いのは、さまざまな先進的なシステムがあるからだ」「これからの日本代表の活躍を応援する。日本頑張れ!」など、日本を称賛・応援する声が多く上がった。

 どうやら今回の惨敗は単なるスポーツの試合にとどまらず、中国国民にとって日本という国を客観的に再認識し、自国を冷静に見つめ直す契機となったようである。

【サッカーW杯予選】日本に0-7で惨敗の中国が屈辱、「負けたのはサッカーだけじゃない」の批判が高まる理由