試合開始30分前、テレビ中継が中止に

 当然、中国国内のサッカーファンたちも試合の放送を楽しみにしていたが、中国国営中央テレビ(CCTV)は試合直前に中継中止を発表した。表向きの理由は「放映権料が高すぎる」だったが、実際は「勝ち目がない」というメンツの問題だろうと多くの人が推測した。

 結局、動画配信サービスの「愛奇芸」(アイ・チ・イー)が有料で放送した。試合が終わった後、ネットでは「CCTVは先見の目があるんだね。そうでないと、多くのテレビが壊される羽目になっただろうから」と皮肉を言うコメントがたくさん寄せられた。実際、試合直後、椅子でテレビをバンバン叩いたり、投げたりする動画をたくさん見かけた。

 また、試合後、スタジアムに集まった中国人サポーターたちの動画も話題になっていた。軍服を着たサポーターが「遂行できない任務はない、克服できない困難はない、殲滅(せんめつ)できない敵はない!中国必勝!がんばれ!」とメガホンを持って叫ぶ動画や、集まって中国国歌を歌う動画など熱い場面が拡散されていたが、SNS上のコメントは冷ややかだった。

「実力がないのに叫んでも無駄だ。日本で恥をかくな」
「こんな低レベルのサポーターがいるから、チームのレベルも低い」

 など、愛国心をあおるサポーターへの批判が殺到した。

 惨敗を受けて、SNSには

「(中国代表は)もう解散したほうがいい。存在する価値がない」
「9月5日は『国恥記念日』にすべきだ」
「アジア最下位にふさわしい。日本がやっているのはサッカー、我々のは蹴鞠(けまり)」

 といった厳しいコメントがあふれた。普段冷静なメディアや、各界の著名人までもが平静を保てなくなっていたようで、批判の声を上げていた。