メガバンク・地銀・ネット銀を大解剖 [最新]銀行ランキングPhoto by Yasutaka Nagayoshi

地方銀行で政策株を純投資に振り替えるケースが急増している。そこでダイヤモンド編集部は、上場している地銀の振替額を集計し、金額が大きい順に地銀49行のランキングを作成した。上位にランクインした銀行はどこか。また、ランキング上位の地銀には見せかけの疑念について直撃し、振り替えを行う地銀の事情を探った。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

地銀で保有株ウオッシュが横行?
振替額が大きい地銀ランキング

 今、投資家の間で、実質的に政策株であるにもかかわらず保有目的を純投資に振り替える、いわゆる“保有株ウオッシュ”に対する疑念が渦巻いている。

 この点については、金融庁も問題視している。「2024事務年度金融行政方針」の中では「政策保有株式の開示の適切性について有価証券報告書レビュー等で検証を行うとともに、政策保有株式に係る開示事項の追加等を検討する」と明記された。

 保有株ウオッシュを行っている疑いが特に強いのが地方銀行だ。大和総研金融調査部研究員の矢田歌菜絵氏は、24年3月時点で東京証券取引所に上場する金融業168社のうち、政策株から純投資への保有目的の振り替えを行ったのが49社、そのうち銀行業が46社であることを指摘しているからだ。さらに、46社全てが地銀である。

 なぜ地銀は、純投資への保有目的の振り替えを行っているのか。その狙いを探るため、ダイヤモンド編集部は上場している地方銀行・グループ全73社の純投資への振替額を集計し、ランキングを作成した。中でも純投資への振替額が大きかった上位3行には、保有株ウオッシュの疑念について直接問いただした。

 次ページでは、対象となった49行のランキングを公開する。さらに、上位3行の回答内容と、そこから浮かび上がる政策株を純投資に振り替えざるを得ない地銀特有の事情について解説する。