『世界賞賛企業調査2013』の第2回目は、日本企業が世界からどう評価されているかを見る。その特徴は、賞賛企業候補にノミネートされる企業数は多いが、賞賛企業の称号を得る企業が少ないということだ。それはなぜか。
日本の「賞賛企業」は減る傾向
世界中で、他社から見て賞賛に値する企業はどこで、それはなぜなのかを問うこの調査は、前回もふれたように「現役経営者による評価」というところに特徴がある。57に及ぶ各業界で、世界ナンバーワンはどこか、それに次ぐ企業は、という評価結果は世界中の大企業の関心を呼ぶ。
前回見たように、今年のリストにもアップル、トヨタ、エクソン、キャタピラーといった有力企業が並ぶ。日本企業も多くの業界でランクインしており、強豪がひしめくコンピュータ業界ではキヤノンが4位、食品業界では1位がネスレであるのはこのところ変わらないが、ダノン、ケロッグといった欧米企業にまじって、味の素が10位に評価されている。
化学分野では、トップがBASFで2位がデュポン、日本企業では10位の住友化学、11位の三菱化学がランクインしている。他の主要業界でも日本企業は大いに健闘しているが、実は日本企業に特徴的ないくつかの課題がある。
その一つは、この調査にノミネートされる日本企業の数は決して少なくないのだが、業界で上位にランクされる企業数が増えないことだ。つまり、フォーチュンとヘイグループが全体では毎年690社ほどを候補企業としてノミネートし、それぞれの業界で相互評価を行っていただく訳だが、結果的に、各業界の上位半数の企業に与えられる「賞賛企業」という、いわば称号を得る日本企業が増えないのだ。むしろ減る傾向にある。
たとえば、航空業界。今年はデルタ航空をはじめ14社がノミネートされ、上位7社が「賞賛企業」という上位カテゴリーに入っており、全日空も日本航空も全体14社の中には入っているが、残念ながら上位半分には入っていない。
同じことはほとんどの業界に見られ、生保業界でも、日本生命、第一生命、明治安田生命が順当にランクインしているが、全体で16社選ばれているこの業界で、10位の日本生命が最上位で、残念ながら業界上位8社の「賞賛企業」カテゴリーには入っていない。